益田市高津川下流にかかる「高角橋」。平成23年度にはJSCE土木学会の「選奨土木遺産」に認定されています。

土木学会選奨土木遺産とは

土木遺産の顕彰を通じて歴史的土木構造物の保存に資することを目的として、平成12年に認定制度を設立いたしました。推薦および一般公募により、年間20件程度を選出しています。【JSCEのHPより引用】

JSCEのホームページによると、高角橋の評価的表現については
「全国的にも大規模で、かつ島根県では唯一のRCローゼ桁橋で、高津川に映る5連のアーチが美しい橋です。」と記述されており、益田市の「高角橋に関する説明」資料等にも類似した表現を目にします。

高角橋20150311

ですが。単に「5連のアーチ」が特徴というのなら、岡山市の旭川にかかるRCローゼ「9連のアーチ」の大原橋が規模的に大きいわけで、「高角橋」は、二番手のような感じです。…よね!?

実は、私が有する土木学会の資料によると「高角橋」の評価については以下のような記載がありました。
・5連の下路アーチは大原橋に次いで多い
・アーチリブの窪みがアクセントになる。
日本の近代土木遺産」現存する重要な土木構造物2800選[改訂版] 
平成21年4月30日 土木学会より(※当時の高角橋の評価はランクB。)

この「アーチリブの窪みがアクセントになる」というこそ!特筆して欲しい事項かと思います。
実際にご覧ください!!
高角橋 アーチリブの窪み


コンクリート素材にかかわらず「アーチリブの窪み」をもたせることで、立体感や奥行きを感じることができます。…これは、岡山市の大原橋のような一般的なコンクリート造りの構造物には無い、造詣的「趣」を施したデザイン上の工夫といえます。
よくみ見ると、この「窪み」は「」まで連続性をもって施されています。高角橋の設計者のこだわり、とか、遊び心が感じられ、実にイイですネ。

もちろん、橋の内側だけでなく、外側にも同様に「アーチリブの窪み」は施されています。

高角橋 5連のアーチ 土木学会的解釈


益田市 高角橋 アーチリブの窪みデザイン

「アーチリブの窪み」…私自身、『日本の近代土木遺産」現存する重要な土木構造物2800選[改訂版]』 から、その事を知るまでは、日常的な「高角橋」であるがゆえ、「地元の古いコンクリート橋」…程度の認識でした。
ところが、この(マニアックな)情報を知り意識して、益田市の高角橋を見てみると…
「アーチリブの窪み」が施されたデザイン…シンプルだけど何か洗練された美しさを感じます。
(RC構造物での「デザイン面の仕上げ」の造りは、益田市の豊川発電所や、匹見発電所にも感じられるものがあります。)
もしかしたら、高角橋のデザイン…「アーチリブの窪み」の施し。・・・「そがぁ~な事は、ワシはとうに知っとったでぇ!」的な人もおられるでしょう。でも、もし、「知らなかったぁ!!」という方であれば、今度、この「高角橋」を近くで見る時には、これまで気付かなかった「高角橋の美しさ」を知ることができると思いますヨ。

※ご参照(平成27年8月17日追記)
JSCE 土木学会 選奨土木遺産
選奨土木遺産選考委員会により、平成23年(2011年)に選奨された益田市の高角橋に関するページ
画像をクリックすると、JSCE土木学会さんのホームページ内の「高角橋」に関する内容を確認できますよ♪

http://committees.jsce.or.jp/heritage/node/663


MAP:高角橋

ところで、高角橋の素材は「鉄筋コンクリート製」

ここで、疑問がおこりませんか?

なぜ、鉄橋ではなく鉄筋コンクリート橋なのか?

…かなり前に調べてみたのですが…高角橋が造られた時代背景昭和17年(1942年)は
第二次大戦(太平洋戦争)中「ミッドウェー海戦」があった年です。

「鉄」は非常に貴重…戦前・戦中の軍需物資であったわけです。