益田市の歴史・風景体験レビュー

益田市(島根県の西部)の資史料をもとに益田市の歴史・風景の魅力と課題をフィールドワークで体験レビュー。
 

人麻呂展望広場

島根県立万葉公園の「人麻呂展望広場」を楽しむ(益田市高津)

益田市の高津にある「島根県立万葉公園」。
広大な公園で、総面積は48.4haといいいます。
(※面積は公園管理センターの方から教えてもらいました。)


「万葉」という名がつく公園なので、公園内にはいたるところに万葉集にある数々の古の歌がしるされた立札があります。

不思議なもんで、自分がよく知っている歌をみつけると、なんとなく親しみが持てるものです。
その歌がつくられた背景とか周辺知識がぶわっと頭の中に広がってくるんですネ♪


「島根県立万葉公園」には、テーマを持った「広場」がいくつかあります。
今回、注目したのは「人麻呂展望広場」…人麻呂に関連する35(首)の石の歌碑が集められています。

まずは、広大な「県立万葉公園」内での「人麻呂展望広場」の場所

人麻呂展望広場の場所 島根県立万葉公園 (益田市)


「人麻呂展望広場」の場所、上の案内板を部分拡大してみましょう。

人麻呂展望広場 拡大 島根県立万葉公園 (益田市)


「人麻呂展望広場」入り口はこんな感じ…

人麻呂展望広場 入口 島根県立万葉公園内


「人麻呂展望広場」とは!?

島根県立万葉公園の「人麻呂展望広場」とはいったいどんなコンセプトで造られたのでしょうか?
「人麻呂展望広場」にはこの広場だけを特集したガイドパンフレットがあります。

島根県立万葉公園 人麻呂展望広場 パンフレット


このパンフレット内にわかりやすい説明がありました。


人麻呂展望広場
 この広場には「歌聖・柿本人麻呂」が天武・持統朝時代(七世紀後半)に大和で宮廷歌人として詠った歌、人麻呂や地域にゆかりのある歌の中から三十五首を歌碑として配置しています。歌碑は島根県産の福光石の板に彫り込んでいます。広場は万葉集にちなんだ植物や石によって人麻呂の旅した山河や、石見の風景を表現しています。また広場からは石見の雄大な海をはじめ、万葉集に詠われた山々を望むことができます。

 万葉の花や美しい景色を楽しみながら、ゆったりと人麻呂の歌心にふれてみませんか。


    パンフレット:『島根県立万葉公園 人麻呂展望広場「柿本人麻呂の歌の世界にふれる庭」』より


「人麻呂展望広場」の構成について


人麻呂展望広場の構成 島根県立万葉公園 益田市t

パンフレット内のイラストをみると、「人麻呂展望広場」は「大和・旅の広場」と「石見の広場」の2つの広場で構成されていることがわかりました。


それぞれの広場にある「歌(歌碑)」は

・大和・旅の広場…人麻呂が宮廷歌人として大和で詠った歌、旅の途中で詠った歌
・石見の広場…人麻呂が石見で詠った歌をはじめ、島根にちなんだ万葉歌

という考え方で分類され集められているといいます。


私論「人麻呂展望広場」の楽しみ方

「人麻呂展望広場」は、歌碑を楽しみながらゆったりとすごす場所です。
万葉の時代をある程度もった人が数名で、一つ一つの歌碑を前にして、歌にかかわること…解釈からはじまり作者の事や時代背景について「語り合う(知識を交換する)」…なんて楽しみ方ができたら、それはそれは最高の時を過ごせると思いますぞ。


おまけ…「人麻呂展望広場」…豆知識

ここまで、読んでくれた方へのささやかな感謝の気持ちとして「人麻呂展望広場」豆知識。

歌碑は「福光石」でできている

ここの歌碑の素材は「福光石」…。(これはパンフレットを見なかったら知ることもなかったでしょう♪)


ちなみに、「福光石」は「ふくみついし」と読むそうです。島根県大田市温泉津町福光が産地とのこと。
また、世界遺産「石見銀山」の「五百羅漢」のすべての羅漢像、そして「五百羅漢」にある3つの石橋、ともに福光石でできているそうですよ♪


柿本朝臣人麿獻泊瀬部皇女忍坂部皇子歌


パンフレット:『島根県立万葉公園 人麻呂展望広場「柿本人麻呂の歌の世界にふれる庭」』で、この歌碑(三番歌碑)は、万葉集2巻194とあります。


島根県立万葉公園 人麻呂展望広場 歌碑三番 



題詞 柿本朝臣人麿獻泊瀬部皇女忍坂部皇子歌 ですネ♪

県立万葉公園「人麻呂展望広場」の万葉仮名の歌碑(益田市にて)

先日、益田市高津にある島根県立万葉公園の「人麻呂展望広場」という場所に行きました。

※ヒトマロの表記はこの広場では「人麻呂」で、益田市で好まれる「人麿」ではありません。
(個人的には、柿本人麻呂の表記の方を好みます。)


島根県立万葉公園の「人麻呂展望広場」パンフレットを読んでみたところ、この広場には全部で35の自然石の歌碑があるそうです。

島根県立万葉公園 人麻呂展望広場 パンフレット

碑に刻まれている「歌」は、この地に合わせ、万葉集、人麻呂の歌を中心となっています。


この広場の奥の四阿(あずまや)に進むと、とある歌碑が目に入りました。

人麻呂展望広場 稲岡耕二氏 自筆の歌碑の場所

理由は…

稲岡耕二氏 自筆の歌碑 小竹之葉者


小竹之葉者 三山毛清尓 乱友 吾者妹思 別来礼婆  
柿本人麻呂


この歌碑だけが「万葉仮名」で文字が刻まれているんですネ。

(万葉集は原文…万葉仮名で感じるのが一番!と思っていますので「これは、イイね♪」って思うわけですよw…初心者はちょっと苦労はしますけど)


で、気になったので、この「万葉仮名」の歌碑につて調べたところ、かの稲岡耕二先生による自筆の歌碑であることがわかりました。

パンフレットには以下の説明がありました。

稲岡耕二氏自筆の歌碑
東京大学名誉教授。柿本人麻呂研究の第一人者であり、多くの著書も出版している。平成十一年万葉公園「まほろばの園」の竣工を記念して設置した稲岡氏自筆(万葉仮名)の歌碑を移設したもの。

パンフレット:『島根県立万葉公園 人麻呂展望広場「柿本人麻呂の歌の世界にふれる庭」』より



稲岡耕二先生の著書は、

万葉表記論 、人麻呂の表現世界等々「歌」そのものの表記、構造についての詳細な解析的内容が多く、読み手側にもある程度の専門知識と集中力がいります。(益田市立図書館にも何冊かありますよ♪)

ただ、『王朝の歌人 柿本人麻呂 集英社 1985年4月25日』に関しては、柿本人麻呂の伝記的内容です。

王朝の歌人1柿本人麻呂 稲岡耕二


この本は、気楽に読めて、内容も面白かったなぁ…という記憶があり、今回を機会に再読しています。

鳥詠む 小竹之葉者