益田市には『日本の近代土木遺産(改訂版)―現存する重要な土木構造物2800選』(土木学会出版、2005年)に掲載されている土木構造物が3か所あります。
①高角橋 益田市 RCローゼ(下路) 土木学会選奨土木遺産(平成23年にランクBから昇格)
②豊川発電所 益田市 RC建造物(ろく屋根) ランクB
③匹見発電所 益田市 RC建造物(切妻屋根) ランクC
今回は「豊川発電所(益田市 猪木谷)」について
「豊川発電所」は匹見川ぞいで益田市の猪木谷にあります。
早速ですが、中国電力 豊川発電所の画像です!(場所はこのページの最下部の地図をご参照くださいまし)
「中国電力 豊川発電所」の文字看板がなければ…ぱっと見、とある宗派の礼拝堂のような感じですネ。
これまで…何百回とは言いませんが少なくとも30回以上はこの「豊川発電所」のそばの道(国道488号線)を車で往来しています…にもかかわらず…「豊川発電所」…目に入りませんでした。
豊川発電所 益田市 RC建造物(ろく屋根)
気になる言葉:「ろく屋根」とは…
陸屋根(りくやね、ろくやね)とは屋根の形状の一つ。傾斜の無い平面状の屋根のこと。平屋根(ひらやね)ともいう。「陸」とは「平ら」との意味であり、その逆は「不陸」(ふりく)という。普通、陸屋根を有する建築物の上の平面部を屋上という。(以下略)
フリー百科事典 ウィキペディアより引用
「豊川発電所」 を前後から見ると、「ろく屋根」という感じではありませんが、左右側面から見ると、実際の屋根は平らであろうと推測できます。おそらく、前面、後面には「不陸」(ふりく)に見せるための巧妙なデザインがほどこされているのでしょう。(きっと)
ところで、「豊川発電所」 について「益田市誌」で調べたところ、完成したのは、昭和3年(1928年)9月(当時の電気会社「出雲電気 株式会社」により建設)
豊川発電所の(完成)当時の発電能力は3,720KW (昭和10年9月に4,670KWに増大)
当時としては島根県下で最大の発電所だったそうです。
画像です(右斜め前から撮影してみました。夕暮れ前での撮影で少し光不足でした。…でもそのぶん味わいはあるかも!?)
大きさはざっとこんな感じ…国道488号線沿いにあるのですが…〒日本郵便さんの配達の(ピカピカで綺麗な)赤い車がたまたま通過したので…比較・想像してくださいね!(赤と白系のコントラストが結構ステキです)
そして、斜め後ろ(匹見川方向から)撮影
この画像ならここが「発電施設」とうことがわかりますネ。
さて!益田市の「豊川発電所」
『日本の近代土木遺産(改訂版)―現存する重要な土木構造物2800選』(土木学会出版、2005年)
による見どころは3+1!
①デンティル・モールディング
②3分割されたアーチ窓
③明確なピラスター=華やかなイメージ(見方によっては桃山発電所を思わせる)
上記3点を集約した画像
さらに+1…当時の発電機が現役使用!!
「日本の近代の土木遺産」って身近で、かつ奥深いので…結構ハマりますよ♪
【画像は2011年10月撮影】