益田市の高津にある島根県立万葉公園。

本日(7月11日)。7月に入って久しぶりに晴れた朝ということもあり、

「今月はどんな花が咲いているだろうか?」と行ってみました。


島根県立万葉公園の東口駐車場に車を停め、万葉植物園方面に向かって歩いていたら…


ありました♪「桔梗(ききょう)」の花です。

桔梗 益田市 島根県立万葉公園 2015年7月11日



結構、まとまって咲いています。(そういえば、ウチでも(鉢植えですが)桔梗の花が咲いていたなぁ…)

「さて、接写(マクロ)モードで撮ろうかいな。」と近づいたところ、

なんだか様子が変です。ここの桔梗の花。


ツートンカラーの桔梗の花



見てください!!
桔梗3分の1青 益田市 島根県立万葉公園

花の色が、青と白の部分があります。しかもハッキリわかれて…


青と白のツートンカラーの桔梗の花
です。


そして、こちらは青白のハーフハーフ!!桔梗星人ですな♪

桔梗 青と白のツートン 益田市 島根県立万葉公園

ツツジとかで、2色の色が適度に混ざっている花は見たことがありますが、
この桔梗の花のように、こうもハッキリ色がわかれているとは……


桔梗ってかなり不思議な花!?…でも、もしや!?と思いネットで「桔梗 ツートンカラー」で検索してみたら、

ツートンカラーの桔梗の画像・投稿記事、いくつかありました。


「なんじゃ?もしかして、そんなに珍しいもんじゃないんじゃないか?」


と思われる人もいるでしょう。


ただ、それら投稿記事には皆さん「珍しい桔梗の花」と綴っています。(私も含めて。ハハハ♪)


さてさて、ここの桔梗でもう一つ驚いた事がありました。

それがコレ↓

桔梗同一の茎に青と白の花 益田市 島根県立万葉公園


ちょっと分かりにくいので信じがたいかもしれませんが…ナント!!同じ茎に、青と白の花が咲いているのです。

これまた、不思議さを感じさせる現象ですネ。


万葉集で「桔梗(ききょう)」を詠んだ歌


万葉集には「桔梗(ききょう)」を詠ったものが五首あります。


芽之花 乎花葛花 瞿麦之花 姫部志 又藤袴 朝皃之花 (8巻1538)


朝(杲) 朝露負 咲雖云 暮陰社 咲益家礼 (10巻2104)


展轉 戀者死友 灼然 色庭不出 朝容皃之花 (10巻2274)


言出而 云(者)忌染 朝皃乃 穂庭開不出 戀為鴨 (10巻2275)


和我目豆麻 比等波左久礼杼 安佐我保能 等思佐倍己其登 和波佐可流我倍 (14巻3502)


桔梗という文字がどこにもないじゃないか?と思う人もいるでしょう。


実は、これら五首それぞれに、「朝皃」、「朝(杲)」、「朝容皃」、「安佐我保」と記述された部分、読みは「あさがお」なんですが、当時「あさがお」とよばれた花が「桔梗」を意味するという説があるのです。


桔梗は「秋の七草」のひとつ


万葉時代の「あさがお」とは「桔梗」のことである・・・その根拠になるかどうかわかりませんが、

今回、ご紹介した五首の最初のもの

芽之花 乎花葛花 瞿麦之花 姫部志 又藤袴 朝皃之花(8巻1538)


は「秋の七草」が詠まれています。最後にみられる「朝皃」を「桔梗」とすれば、現代まで受け継がれている「秋の七草」が揃います。 ちなみに作者は山上憶良(やまのうえ の おくら)です。


余談ですが、「秋の七草」は「花」を楽しむことがテーマで、「春の七草」の「粥」とは趣が異なります。


では、なぜ、島根県立万葉公園では、(今回の桔梗は)7月に咲いているのでしょうか?

桔梗について調べてみたところ、開花時期が長い植物だという事がわかりました。

「みんなの趣味の園芸(NHK出版)」というサイトによると、桔梗の開花時期は6月~10月
とされていました。
※参照
⇒みんなの趣味の園芸(NHK出版)/キキョウの育て方

また、桔梗には多くの園芸品種があるということで、6月~7月にものは「早生種」だということもわかりました。

桔梗には多くの園芸種がある一方で「原種の桔梗」も存在します。


環境省 自然環境局 生物多様性センターのサイト「絶滅危惧種情報検索」によると

(日本)原種の桔梗(キキョウ)は絶滅危惧II類(VU)とされています。


※参照⇒絶滅危惧種情報検索(和名 キキョウ 学名 Platycodon grandiflorus) 


この原種の桔梗(キキョウ)こそ、万葉の時代に「あさがお」と呼ばれていた品種といえそうです。