先日来、益田市の小浜町、宮ヶ島の「恵比寿神社」について特集しています。

毎回の参拝…「事代主命(ことしろぬしのみこと)」にお伺いした後、ここ宮ヶ島「恵比寿神社」とその周辺を取材をしています。(今回がスケジュール上、最終回です。少し長くなりますがお付き合いくださいまし。)

恵比寿神社 宮ヶ島 益田市小浜町



実は、前回「恵比寿神社」で撮影させていただいた画像を確認した際、気になることがあったので投稿しました。


◆「向拝」の「4つの木鼻」

宮ヶ島の「恵比寿神社」の「向拝」には合計4つの木鼻(全て「掛鼻」)があります。
左右に「獅子」と「獏」のペア。基本的な配置です。

「恵比寿神社」は、改築されたようですが、「向拝」の主要部は以前のものを継承しているようです。

獅子木鼻 左


「獅子」の木鼻が、長年の日本海の風雪によって削られたのでしょうか…丸っこく、風化しています。(当初、この風化した木造が印象的で)「獅子木鼻」周辺を撮影させていただきました。


◆「向拝」の「木鼻」の阿吽(あうん)の組合せについて疑問が?
PCにて画像を眺めていると、「獅子木鼻は「『阿』が左か!?」と気づきました。
(阿吽の「阿」は一般的には(正面向かって)右です。ですが…左にある事例もあり、単に「珍しい」、とその時は感じました。)ところが、同じく左側の「獏の木鼻」をみると「阿吽」の「吽」であるような気がしました。

獅子木鼻と獏木鼻 左


(因みに、右側の「獅子木鼻」は「吽」です。)

獅子木鼻 右(吽)


では、右側の「獏」は?と思い前回撮影した画像を確認したところ、締縄が被さり「阿、吽」のいずれかは確認できません。

というわけで、再度(3回目)確認に出かけました。(今回はサンダルで行きましたw)

「向拝」の正面、向かって右側、締縄で隠れた「獏木鼻」の口の形状。…正面からは確認できないので、後ろに回ってみたところ…
(やはり)「阿」でした。※この↓画像は「向拝」の後ろに回って撮影しています。

獏木鼻 右 阿



宮ヶ島の「恵比寿神社」の「向拝」の木鼻(全て「掛鼻」)は
向かって右側は「獅子木鼻」は「吽」、「獏木鼻」は「阿」
向かって左側は「獅子木鼻」は「阿」、「獏木鼻」は「吽」

特殊な配置です。益田市の小浜町の「恵比寿神社」には風習上、何か特別な意味・事情があるのでしょうか?


左右赤瓦製の「鬼瓦の口」に決定的なものが…
あまりに不可思議な木鼻の配置に、精神を集中して調べてみたら…「恵比寿神社」の赤瓦の屋根の両端に「鬼瓦」が施されている事に気付きました。

鬼瓦の特に「口」の形状を拝見すると、

向かって右側が「阿」(口の部分が開いた造りです)↓

恵比寿神社 鬼瓦 正面右



向かって左側は「吽」となっています。↓

恵比寿神社 鬼瓦 正面左


◆「阿吽」の「左右」「東西」とかの配置は日本史的には諸説あるので、(それは)よしとして、左右それぞれの「阿」「吽」はいずれかに統一されるはずです。

◆結論(長くなりましたが…)
左右の「獅子木鼻」。…「改築時とか(否、それ以前より)一旦「向拝」が分解され、再度、組み立ての時に(「獅子木鼻」…掛鼻なので)が間違って配置された。」ということが考えられます。

※前回「獅子木鼻」を撮影したもんから「事代主命」が私を潮で足止めしたのは…あるいは、そういう事か…と。

阿吽だな
おしまい。